Antique Dolls 2


イギリスに留学中に2軒めにホームステイした家は夫婦だけの家族でした。
お母さんのアネットは料理をするのが大好き。
お父さんのフィリップは13歳年下で仕事は建築家。
ブルーのデニムシャツに綿で出来た蝶ネクタイをして毎日出勤します。
二人ともバツイチで再婚同士。それぞれの子供達は独立をしてたまに遊びに来ます。
年をとったお互いが必要とし合って老後の生活を楽しんでいるのです。
本当に素敵なカップルでした。



・・・・っと前置きは長くなりましたが、ある日、彼女が私に見せるために倉庫から3体の人形を出してきました。
2体は、着せ替え人形。もう一体はクリスマスの際に飾るフェアリーの人形。
どちらもアネットのおばあちゃんが持っていたもので、100年近く前のもの。
アネットも子供の頃、この人形でよく遊んだとか・・・・。
アンティークになった人形の歴史を見た気がしました。



フェアリーのコスチュームを着た人形は目球が頭の中で外れていました。
この家の後に人形の学校に移ることになっていた私は
「この人形を直してあげる!」っと約束したのでした。
そして無事に直し日本への帰国前に直した人形を持ってアネットを訪ねたところ、
「これはあなたにプレゼントするわ!」っとアネットが言ったのです。
「エ〜!だってこの人形、日本で買ったら5万円ぐらいするよ!」っと現実的な私。
断ったのですが最終的に図々しくも、もらってしまったのでした。



今も、この人形を見る度に楽しかったイギリスの生活と素敵なカップルを思い出すのです。

この人形のように親子何代も受け継がれるような・・・・・
私の人形もそんなふうになれたら嬉しいなっと思うのです。